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   >> 公演日程
     2008年12月12日(金)午後7時30分
     2008年12月13日(土)午後2時30分
   >> 劇  場
     BMCCトライベッカ・パフォーミングアーツ・センター、シアター2
   >> 演  目
      Love Elegy「恋歌」
      Carmen, A Woman「カルメンという女」

 異色の舞踊家、柏木みどりの6年振りのニューヨーク公演。日本舞踊にジャズ、モダンダンスをミックスした独自のダンスを編み出し、深みのあるストーリー性に富んだドラマチックなダンスシアターで日本とアメリカで高い評価を受けているダンサー、かつ振付家である。
 弱冠15歳にして日舞の柏木流の名取となり、女優としても活躍した後、ジャズダンスの創成期にその魅力に惹き付けられ、ダンスの本場ニューヨークでダンス修行を行なった実力派。2つの異なる舞踊と女優としての経歴をバックグラウンドに、能や歌舞伎、人形浄瑠璃といった日本の伝統芸能から現代に通じる普遍的なテーマを追求し、男女間の性の魔、心の深淵、人間の根底にある情念を踊り、観る者に鮮烈な印象を残す作品で知られている。

 今回のニューヨーク公演では、柏木みどりならではの2つの世界を融合したダンス・フュージョンで、江戸時代の遊女と魔性の女カルメンという全く異なるタイプの2人の女性を描き出す。
 「恋歌」は、柏木みどりの日本舞踊のソロ作品。江戸時代の遊郭に生きる遊女、染花を静かな情熱と哀感溢れる日本舞踊で表現する。遊郭に身を置きながらも純粋な恋に身を焦がす染花。だが、遊女としてのさだめの中に流されてしまう。一途な女の恋は歳月が過ぎ老女になっても、染花の心の中に生き続けている・・・。アジアの古典楽器の調べを取り入れた日本の現代音楽を独創的にブレンドした音楽に載せた「恋歌」は、本公演が初演となる新作。


 プログラム後半は、不朽の名作「カルメン」に柏木みどり独自の解釈を施した「カルメンという女」
 強い意志を持ち、常識にとらわれず自由奔放に生きる魔性の女カルメンを取り上げる。メリメの原作やビゼーのオペラから特にカルメンとホセの関係に焦点を当て、ダンス・フュージョンの舞踊で二人の愛と情欲、裏切りと嫉妬から破滅までを描き出す。
 カルメンに翻弄される相手役ホセを演じるのは、日本舞踊・西川流で新進舞踊家として注目を浴びている西川大樹。きりりとした袴姿の抑制された日舞の所作で、ホセの葛藤と苦悩を端正でありながら感情豊かに表現する。
 2003年に「カルメン」として日本で初演、批評家から高い評価を受け、「カルメンという女」としての改訂版は2007年に第二回鎌倉芸術祭にて初演を行なった。

 女性の人生を追求する柏木みどりの舞踊を、アメリカのダンス専門誌アティチュードは、やはり女性をテーマとする作品を多く創出したマーサ・グラハムに例えている。本公演では、遊女とカルメンという時空を超えた異なる2人の女性を取り上げ、女性の生き様に流れる普遍性に迫る試みである。

※映像はYouTubeでもご覧いただけます。


異色の舞踊家/振付家、柏木みどり

 6歳より日本舞踊を始め、15歳にして柏木流の名取となる。コマーシャルタレントを経て、20代に女優に転向、松竹に所属して、数々の映画やテレビに出演する。プロの女優として活躍中にジャズダンスと出会いその魅力の虜となり、舞踊家としての自身を意識するきっかけとなる。
 女優業を退いて1976年に単身ニューヨークに渡り、フレッド・ベンジャミン、ジョジョ・スミス、フランク・ハチット、ロニー・デマルコらニューヨークの有名なダンサーらに師事、ジャズ、モダンダンスを学ぶ。3年間の滞在後日本に帰国、柏木みどりジャズダンススタジオを開校。1979年9月には、凱旋公演として東京の博品館劇場にてフレッド・ベンジャミンと共演。映画やテレビ番組の振付や三船敏郎の俳優養成所、三船芸術学院で3年間ダンス講師も務めた。

 日本と西洋の舞踊を融合した独自のスタイルを確立、日本で毎年独自の振付作品を発表、ニューヨークの著名なダンサーらともしばしばコラボレーションを行ない、メディアの注目を受ける。2006年には山本周五郎の小説「ほたる放生」を映画監督の奥村正彦台本・構成で舞台化した。
 1989年、1991年、2002年にニューヨークのフローレンスグールド・ホールで柏木みどり&カンパニーの公演を行ない、ニューヨーク・タイムズ、ヴィレッジ・ボイス、アティチュードを始めとした地元のメディアから好評を得る。2002年のニューヨーク公演では、ブロードウェイやコンテンポラリーダンスの分野で活躍している才能ある3人の地元ダンサーとコラボレートし、「夏祭りの幻想」と文化庁芸術祭参加作品「安珍と清姫」の2作品を発表。2002年のニューヨーク公演はドキュメンタリー番組化され、日本全国で放映された。

 鎌倉で柏木みどりジャズダンススタジオ主宰、現代舞踊協会会員。





「物語の世界を拡大し、モダン化するにあたり、ジャズダンスを微妙でありながら絶妙な形で取り入れた。彼女は、スパイスを加え過ぎて伝統を損なうという羽目に陥らない賢さを備えた、実に才能ある女性である。」
  -ウィリアム・ムーア、アティチュード:ザ・ダンサーズマガジン(1991年夏/秋号)

「柏木氏の舞台上での存在感には目をみはるものがある。」
  -ジェニファー・ダニング、ニューヨーク・タイムズ(1989年10月10日)

「『カルメン』は一転してパワーとスピード感にあふれる構成で、ホセにリチャード・アール・ピエロン、闘牛士のルーカスにベン・ハートレイ、ガルシヤに勝亀利次郎を配し、自身は自由奔放なカルメンに扮して濃厚な愛情表現を踊った。・・・・和洋の新作を日米協演のダンサーで具体的に表現した点を評価したい」
  -瀬川昌久「週刊オン★ステージ新聞」(2003年11月21日)

「柏木は女の深い情念をダイナミックに表現、かたずをのんで見守った観客からはため息の後、盛大な拍手がわいた」
  -神奈川新聞(2002年6月26日)

「女の情念の深さをドラマチックに表現し観客を魅了」
  -読売アメリカ(2002年6月14日)

「日本の伝統芸能とジャズダンスを融合させた柏木独特の作品は、特にその構想のユニークさにおいて、ジャズダンスへの新たなアプローチとしてニューヨーカーたちの注目を集めた」
  -ダンスマガジン(1991年12月号)




■東京新聞 2008年9月24日(水)
<ニューヨーク公演控えるダンサー 独自色求め挑戦続く>
「西洋舞踊に日本舞踊を取り入れるなど独自のダンスを追求して、30年以上。
情念あふれる舞台は、苦労した下積み時代を映し出す。12月に自作「恋歌」のニューヨーク公演を控え、「いい作品にして、見てもらいたい」と意気込んでいる。・・・海外では和服や連獅子をジャズダンスで踊って認められた。国内でも、雅楽演奏家東儀秀樹さんや、歌手マドンナさんの振付師男性と共演するなど精力的な活動を続ける。・・・代表作は情熱ほとばしる演技の『カルメン』だ。」

■毎日新聞 2007年10月10日(水)
<カルメン題材に「女の情念」 鎌倉芸術祭の舞台に意欲>
「『自分にしかできない舞踊を』。開催中の第2回鎌倉芸術祭で11月12日、「女の情念」をテーマにカルメンなどからなる3部作を踊る。情熱的で自由奔放な女性カルメンを演じるが、男性役の衣裳は紋付き袴。日舞と洋舞の両方を極めたからこそこだわるオリジナル作品だ。・・・国内外で日本舞踊にジャズ、モダンをミックスした独自の公演活動を続ける。・・・自らを評して『異色の舞踊家』。今回はどんな舞を見せるか。」



公演日程 2008年12月12日(金)午後7時30分
2008年12月13日(土)午後2時30分
演  目 「恋歌」 Love Elegy
「カルメンという女」 Carmen, A Woman
劇  場 BMCC トライベッカ・パフォーミングアーツ・センター、シアター2
劇場住所 199 Chambers Street (between Greenwich Street & West Street)
チケット料金 一般20ドル、学生/シニア12ドル(全席指定)
チケットご購入 <オンライン>
 トライベッカ・パフォーミングアーツ・センター・ウェブサイト  >> https://www.tribecapac.org
<劇場窓口>
 トライベッカ・パフォーミングアーツ・センター・ボックスオフィス
<電  話>
 トライベッカ・パフォーミングアーツ・センター・ボックスオフィス:212-220-1460
お問い合せ
団体予約
646-369-4068 / MKashiwagiDance@aol.com ※団体割引についてはお問い合せ下さい。
会場へのアクセス

>> 地図はこちら

<地下鉄>
 ■1、2、3:Chambers Streetで下車、Chambers Streetを西へ2ブロック、
  北側の坂道を上ると劇場玄関前へ
 ■4、5、6:Brooklyn Bridgeで下車、Chambers Streetを西へ6ブロック、
  北側の坂道を上ると劇場玄関前へ
 ■J、M、Z:Chambers Streetで下車、Chambers Streetを西へ6ブロック、
  北側の坂道を上ると劇場玄関前へ
 ■A、C:Chambers Streetで下車、Chambers Streetを西へ3ブロック、
  北側の坂道を上ると劇場玄関前へ

<バス>
 ■M20:Chambers Streetで下車、バス停北側の坂道を上ると劇場玄関前へ
 ■M1、M6:Chambers Streetで下車、西へ3ブロック、北側の坂道を上ると劇場玄関前へ
 ■M22:Chambers Streetを走るクロスタウンバス、West Streetで下車、
  バス停北側の坂道を上ると劇場玄関前へ

<PATHトレイン>
 ■Christopher Street/Sheridan Squareで下車、地下鉄1トレインでChambers Streetへ